個人事業主の方が税理士に依頼した方がよいケース
1 個人事業主と税理士
確かに、個人事業主の場合、税理士に依頼せずに自分で確定申告を行う方もいて、その方が費用対効果(税理士報酬を支払う費用と税理士に依頼するメリット)の観点から適切なこともあります。
しかし、個人事業主が税理士に依頼するかどうかは、事業の状況や個人の知識・スキルによって異なります。
税理士に依頼することが有益となることも多いので、税理士に依頼するメリットや具体的な状況について説明していきます。
2 複雑な税務処理を伴う場合と税理士
個人事業主は、所得税の確定申告はもちろん、課税売上が1000万円を超えた2年後やインボイス登録をした年には消費税の申告など、さまざまな税務処理を行う必要があります。
これらの申告には多くの専門知識が必要であり、特に事業が成長するにつれて、多額かつ様々な項目の経費計上、多額の設備投資による減価償却、青色申告特別控除など注意すべき点が増え、税務処理が非常に複雑になります。
税務処理が複雑になれば、税務処理のミスに繋がる可能性が増え、そのミスが場合によっては税金の計算に大きく関わり、ミスによるペナルティが大きくなることもあります。
このような場合、税理士に依頼することで、正確な申告が可能になり、ミスによるペナルティを避けることができます。
3 時間の効率化、本業への集中と税理士
税務処理は非常に時間がかかる作業です。
最近では、個人事業主の方が使いやすい会計ソフトもどんどん出てきていますが、そういった会計ソフトを使用しているとしても、書類の整理、仕訳入力、帳簿の作成、申告書の作成など、細かい税務業務が多数発生します。
事業が拡大するについてれ、売上や経費が増え、税務業務にかかってくる時間もどんどん増えていきます。
個人事業主の方がこれらの業務に多くの時間を費やすことで、本業に集中できなくなるリスクがあります。
特に、2月3月の確定申告時期に、本業の繁忙期が重なってしまうと、本業をおろそかにするか、確定申告書作成をおろそかにするか、ということにもなりかねません。
税理士に依頼することで、これらの作業を専門家に任せることができるため、事業の拡大や本業に専念する時間を確保することができます。
4 税務リスクの軽減、法令遵守と税理士
税務申告において、誤った申告を行うと、税務調査や追徴課税のリスクが発生します。
特に、事業が拡大している段階での、所得税や消費税の計算ミスは大きな金銭的負担となることがあります。
事業拡大の時期に、そのような大きな金銭的負担があると資金繰りに問題が出て、事業拡大が思うようにできないことすらあります。
税理士は、税法に精通していますので、税理士から適切なアドバイスを受けることでリスクを軽減することができます。
また、税制は毎年のように頻繁に改正されるため、常に最新の情報を把握するのは個人事業主にとって困難ですし、仮にできたとしても非常に時間のかかる作業となってしまいます。
税理士に依頼することで、最新の法令に基づいた適切な申告が可能になります。
5 事業の拡大や新たな取り組みと税理士
事業が成長し、従業員を雇用するようになると、給与計算、源泉徴収、年末調整の手続きなど、さらに多くの税務処理が必要になります。
また、新しい事業を立ち上げたり、事業の形態を変更したりする場合にも、税務に関する新たな対応が求められることもあります。
税理士に相談することで、これらの新しい取り組みに対する適切な税務上の対応が可能となり、安心して事業を拡大することができます。
個人事業主が税理士に依頼することで、税務処理の複雑さや時間の負担から解放され、正確で効率的な税務処理が可能になります。
特に、事業が成長し、税務処理が複雑化する場合や、新たな事業展開を考えている場合は、税理士に依頼することをおすすめします。