税務調査の流れ
1 税務調査とは
税務調査とは、法人又は個人が行った申告について、納税者が正しく税務申告を行っているかどうかを税務署が納税者の自宅等に行き資料を確認したり、納税者に聞き取りをして確認する手続きのことをいいます。
税務署において、納税者の所得税や法人税の申告内容がデータベース化されています。
このデータベースをKSKシステムといい、このシステムを税務調査先を選定する際に参考にしていることが多いです。
参考リンク:国税庁・国税総合管理(KSK)システムの刷新可能性調査の結果等について
こういったシステムの利用や税務調査官の長年培われた経験から判断し、申告内容に何かしらの疑いがある納税者が、税務調査の対象として選ばれます。
2 税務調査の始まり
そして、税務調査は、税務署がその申告内容に何かしらの疑いのある納税者に対し、原則として、電話で口頭による調査通知や事前通知をすることから始まります。
調査通知は、実地の調査を行うこと、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間の通知のこといいます。
事前通知は、調査を開始する日時、調査を行う場所、調査の目的、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間、調査の対象となる帳簿書類その他の物件等を伝える通知のことをいいます(国税通則法 第74条の9)。
納税者としても、何の税金に対する調査が行われるのかということが分からなければ、対応できませんから、調査通知と事前通知が重要となります。
税務署は、税務調査をいつ頃行いたいということを電話にて伝えてきますが、納税者の都合もあるので、税務署・納税者・立会する税理士の三者で、日程調整が行われることが通常です。
実際の税務調査は、調査担当者が1名または2名で、1~3日間程度行われることが多いです。
とりあえず、初日だけ日程調整して、その後は調査の内容次第で決めるということもあれば、最初から3日間日程を調整しておくこともあります。
最初から3日間日程を調整するような税務調査は、比較的厳しく、調査の時間が多くかかると想定されていると考えておきましょう。
3 税務調査当日
税務職員は、税務調査当日は、通常、9時から10時の間に納税者を訪問し、16時から17時の間に帰っていくことが多いです。
明らかに何も無ければ午前中の聞き取りだけで税務職員が帰っていくこともありますが、そのようなことは稀なので、終日かかることを前提にスケジュールを立てることをおすすめします。
税務職員は、納税者の事業内容等を聞き取ったのち、帳簿や請求書・領収書といった書類を確認していきます。
申告内容に問題が見つかれば、その問題点についての質疑応答が行われ、税務職員は税務署に戻り問題点について、時間をかけて検討することになります。
その検討の結果、申告内容に問題があると税務職員が判断すれば、税務職員がその内容を伝えて納税者が修正申告を行うこともあります。
また、納税者が修正申告することに納得せず修正申告をしない時は、税務署が更正という一方的な行政処分を行うこともあります。
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